粒子線治療とは?菅沼栄の提案!(重粒子線と陽電子線治療の違い)

同じ粒子線ですが、重粒子線と陽子線にも違いがあります。
重粒子線がまっすぐに進むのに対し、陽子線は多少周囲に散乱しながら進みます。細胞に対する破壊力(細胞致死効果=生物学的効果)は、陽子線がエックス線やガンマ線とほとんど大差ないのに対し、重粒子線は陽子線よりも約3倍大きいといわれています。しかし、日本で陽子線治療を受けられる医療機関は19施設あるのに対し、重粒子線治療は5施設のみになっています(2019年3月現在)。なぜなら、重粒子線、陽子線の治療施設を造るには巨額の費用がかかり、特に重粒子線装置は陽子線装置よりも大型で、より多くの費用が必要となるからです。




◆重粒子線治療とは
光の速さの70%のスピードでがんに照射炭素イオンを光の速さのおよそ70%まで加速した「重粒子線」をからだの奥のがん細胞に照射します。炭素イオンとは陽子などの原子核を加速してできる粒子線のうち、現在、重粒子線として治療で用いられているのは炭素イオンです。炭素イオンは陽子と比べて約12倍の質量があります。